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コーヒー豆10gのお湯の量は?基本の150ccから応用まで解説

自宅でコーヒーを淹れるとき、「コーヒー豆10gに対してお湯はどれくらいが正解なんだろう?」と疑問に思ったことはありませんか。せっかくなら失敗や後悔なく、おいしい一杯を淹れたいものですよね。

この記事では、コーヒーを淹れる上での基本的な疑問である、1人分のお湯の量から、そもそもコーヒー豆10gが大さじ何杯で約何粒なのか、正確な測り方や便利な量のスプーンの活用法まで、詳しく解説します。

さらに、プロが実践する、注ぐお湯の量は抽出量とは異なるという考え方や、豆の量を20gのお湯で淹れる場合、あるいは200mlのコーヒーを淹れたい時の豆の量、一杯のお湯の量で変わる味わいの違い、多くの方が気になるカルディコーヒーのお湯の量の目安についても具体的にお答えしていきます。

記事のポイント

  • コーヒー豆10gに対する基本のお湯の量
  • 大さじや専用スプーンを使った豆の正確な測り方
  • お湯の量や豆の挽き方を変えた応用レシピ
  • 自分好みの味を見つけるための考え方

コーヒー豆10gのお湯の量は150ccが基本

  • 1人分のお湯の基本的な量
  • 正確な味を再現する豆と湯の測り方
  • コーヒー豆10gは大さじ何杯?
  • あると便利な専用の量のスプーン
  • 参考値としてのコーヒー豆10gは何粒か
  • 注ぐお湯の量は抽出量とイコールではない

1人分のお湯の基本的な量

コーヒー1人分を淹れる際、基本となるお湯の量は、コーヒー豆10gに対して150ccと考えるのが一般的です。これは「1:15」という比率になり、多くのカフェやバリスタが基準としているバランスです。この比率で淹れることで、コーヒー豆が持つ苦味、酸味、甘みといった要素がバランス良く抽出され、多くの人が「おいしい」と感じる味わいになりやすいのです。

もちろん、これはあくまで出発点です。コーヒーの好みは人それぞれであり、使う豆の種類や焙煎度合いによっても最適なバランスは変わります。例えば、しっかりとした苦味やコクを楽しみたい場合はお湯の量を少し減らして130cc~140ccに、逆にすっきりとしたクリアな味わいが好きな場合は160cc~170ccに増やすといった調整が可能です。

まずは基本の「10g : 150cc」をマスターし、それを自分の「モノサシ」として、好みに合わせてお湯の量を微調整していくことが、理想の一杯にたどり着くための第一歩と言えるでしょう。

正確な味を再現する豆と湯の測り方

おいしいコーヒーを安定して淹れるための秘訣は、コーヒー豆とお湯の量を「感覚」ではなく「正確に測る」ことにあります。毎回同じ味を再現したいと思っても、日によって豆の量が多かったり少なかったりすると、味は簡単に濃くなったり薄くなったりしてしまいます。

最も正確なのはデジタルスケールの使用

最もおすすめなのは、0.1g単位で測れるデジタルスケール(はかり)を使用する方法です。最初にドリッパーとサーバーをスケールに乗せてから数値をゼロにリセットし、コーヒー粉を10g正確に入れます。次にお湯を注ぐ際も、全体の重さを見ながら目標の150cc(150g)まで注ぐことで、豆と湯の比率を毎回完璧に再現できます。これにより、「昨日はおいしかったのに今日は味が違う」といった失敗を格段に減らすことが可能です。

スケールがない場合の代替案

もしデジタルスケールが手元になくても、諦める必要はありません。例えば、ご家庭にあるカレースプーンや計量スプーンを使い、「このスプーンですりきり一杯が約〇g」というのを一度だけ測って把握しておくだけでも、立派な基準(モノサシ)になります。これを繰り返すことで、「前回は少し薄かったから、次は粉を気持ち多めにしよう」といった改善が具体的にできるようになり、着実に理想の味に近づいていけるのです。

コーヒー豆10gは大さじ何杯?

コーヒー豆を測る際、デジタルスケールがない場合に便利なのが「大さじ」です。しかし、大さじ1杯が何gになるかは、豆の挽き具合(粒度)や豆の種類によって変動するため、注意が必要です。

一般的に、コーヒー粉の場合、大さじすりきり1杯あたり約5g~7gが目安とされています。したがって、コーヒー豆10gを測りたい場合は、大さじで「山盛り1杯」または「すりきり2杯弱」がおおよその量となります。中挽きの場合は約6g、細挽きの場合は少し重く約7gになる傾向があります。

これはあくまで目安であり、正確な量を求めるならスケールが最適です。ただ、日常的に手軽に淹れたい場合には、まずご自宅の大さじで一度10gを測ってみて、「自分の大さじではこのくらいの量」という感覚を掴んでおくと非常に便利です。毎回同じスプーンを使うことで、手軽さと味の安定性を両立させることができるでしょう。

あると便利な専用の量のスプーン

コーヒー豆の計量には、専用のメジャースプーンがあると非常に便利で、正確性も増します。これらのスプーンは、一般的に「すりきり1杯で約10g」または「すりきり1杯で約12g」といった規格で設計されているものが多く、製品パッケージにその容量が明記されています。

メジャースプーンのメリット

専用スプーンを使う最大のメリットは、毎回ほぼ同じ量の豆を手早く計量できる点にあります。大さじのように挽き目で重さが大きく変わることも少なく、誰でも簡単に安定した計量が可能です。デザインも木製や銅製、ステンレス製など様々で、お気に入りの器具としてコーヒータイムの気分を盛り上げてくれるという魅力もあります。

選ぶ際の注意点

注意点としては、購入する際に「すりきり1杯で何gか」を必ず確認することです。8g、10g、12gと製品によって基準量が異なるため、自分の淹れたい量に合ったものを選ぶ必要があります。10gのスプーンを選べば、毎回すりきり1杯を入れるだけで済むため、計量の手間が大幅に省け、より手軽に安定した味わいのコーヒーを楽しめるようになります。

参考値としてのコーヒー豆10gは何粒か

「コーヒー豆10g」と聞いても、具体的にどれくらいの量なのかイメージが湧きにくいかもしれません。そこで、焙煎されたコーヒー豆が約何粒で10gになるのかを知っておくと、より具体的に量を捉えることができます。

コーヒー豆は、品種や焙煎度合いによって一粒あたりの大きさと重さが異なります。例えば、浅煎りの豆は水分が多くて重く、深煎りになるほど水分が抜けて軽くなる傾向があります。一般的に、アラビカ種の中煎りの豆の場合、一粒あたりの重さは約0.15g~0.2g程度です。

これを基に計算すると、コーヒー豆10gは、およそ50粒から70粒程度に相当します。もちろん、これはあくまで参考値であり、大粒で知られるマラゴジッペのような品種では粒数が少なくなり、小粒なモカなどでは多くなります。ハンドピック(欠点豆を取り除く作業)の際などに、大体の目安として覚えておくと面白いかもしれません。

注ぐお湯の量は抽出量とイコールではない

コーヒーを淹れる際に注意したいのが、「注いだお湯の量」と、最終的にサーバーやカップに落ちる「抽出量」は同じではないという点です。コーヒー粉がお湯を吸収・保持するため、実際に出来上がるコーヒーの量は、注いだお湯の量よりも少なくなります。

具体的には、使用したコーヒー粉の約1.5倍から2倍の重さのお湯が、粉の内部に留まると言われています。例えば、コーヒー豆10gを使って150ccのお湯を注いだ場合を考えてみましょう。このとき、約15g~20gのお湯はドリッパー内のコーヒー粉に残ります。その結果、サーバーに落ちるコーヒーの抽出量は、約130cc~135cc程度になるのです。

この事実を理解しておくと、出来上がりの量を正確にコントロールしたい場合に役立ちます。「マグカップにたっぷり150ccのコーヒーが飲みたい」という場合は、最初から注ぐお湯の量を170cc程度に設定するなど、粉が吸収する分をあらかじめ見越して調整することが大切になります。

コーヒー豆10gのお湯を調整する応用レシピ

  • たっぷり楽しむための一杯のお湯の量
  • 豆の量を倍に!20gのお湯は何cc必要?
  • 200ml抽出したい場合の豆の量は?
  • 参考:カルディコーヒーのお湯の量は?

たっぷり楽しむための一杯のお湯の量

基本の「10g:150cc」をマスターしたら、次はお湯の量を変えて味わいの変化を楽しむ応用編に挑戦してみましょう。例えば、マグカップでたっぷり飲みたいときや、すっきりとした飲み口にしたいときには、お湯の量を増やしてみるのがおすすめです。

プロが提案するレシピの一つに、コーヒー豆10gに対してお湯を200cc使う「1:20」の比率があります。この場合、豆は味が出やすいように「細挽き」にし、湯温も95℃以上と高めに設定するのがポイントです。細かく挽いた豆は湯通りが遅くなるため、蒸らしをせずに一度でお湯を注ぎ切ることで、目詰まりを防ぎつつ、豆の持つ特徴をしっかり引き出せます。

このレシピで淹れると、お湯の割合が多いのですっきりとした口当たりになりますが、細挽きの豆から成分がしっかり抽出されるため、決して味が薄いわけではありません。むしろ、豆の持つ華やかな香りやクリーンな酸味をより感じやすくなります。少ない豆の量でたくさんのコーヒーを淹れられるので、高品質なスペシャルティコーヒーを試す際にも適したレシピと言えるでしょう。

豆の量を倍に!20gのお湯は何cc必要?

2人分を一度に淹れたい場合や、より濃厚でしっかりとした味わいのコーヒーを楽しみたいときには、豆の量を20gに増やしてみましょう。この場合、お湯の量はどうすればよいのでしょうか。

基本の比率「1:15」に基づいて考えれば、計算は単純です。コーヒー豆が20gであれば、その15倍のお湯、つまり300cc(20g × 15)が基本の量となります。この比率で淹れることで、1人分を淹れるときと同じようなバランスの取れた味わいを、2人分でも再現することが可能です。

ただし、一度に淹れる量が増えると、抽出にかかる時間も長くなる傾向があります。抽出時間が長引くと、苦味や雑味といった余計な成分まで出てしまう可能性があります。そのため、2人分以上を淹れる際は、1人分のときよりも少しだけ豆の挽き具合を粗くして、お湯がスムーズに通り抜けるように調整すると、よりクリーンでおいしいコーヒーに仕上がります。

200ml抽出したい場合の豆の量は?

「出来上がりのコーヒーを、マグカップにちょうど200ml淹れたい」というように、作りたい量から逆算して豆の量を決めたい場合もあるでしょう。この場合は、どう計算すればよいのでしょうか。

前述の通り、注いだお湯の全量が抽出されるわけではなく、一部はコーヒー粉に吸収されます。そのため、200mlのコーヒーを抽出したい場合、注ぐお湯の量はそれよりも多く見積もる必要があります。コーヒー粉1gあたり約2mlのお湯が吸収されると仮定すると、まず基本比率「1:15」からおおよその豆の量を算出します。

200ml ÷ 15 ≒ 13.3g となります。 ここで、13.3gの豆が吸収するお湯の量を考えます。 13.3g × 2ml ≒ 26.6ml したがって、実際に注ぐべきお湯の量は、作りたい量(200ml)と吸収される量(26.6ml)を足して、約227mlとなります。

要するに、200mlのコーヒーを淹れたい場合の目安は、「コーヒー豆を約13g~14g使い、お湯を220cc~230cc注ぐ」ということになります。これを基準に、好みに合わせて微調整してみてください。

参考:カルディコーヒーのお湯の量は?

人気のコーヒーショップ、カルディコーヒーファームで豆を買う方も多いでしょう。カルディが推奨するお湯の量は、基本的には一般的な基準と同じです。多くの場合、コーヒー豆10gに対して150ml~160mlのお湯を推奨しています。

これは、カルディが取り扱う多種多様なスペシャルティコーヒーの風味を、バランス良く引き出すための標準的なレシピと考えられています。商品のパッケージに「おいしい淹れ方」として記載されていることもありますし、公式サイトでも同様のガイドが見られます。

ただ、カルディの魅力は深煎りのイタリアンローストから浅煎りのフルーティーな豆まで、その幅広いラインナップにあります。豆の個性に合わせて淹れ方を変えるのも楽しみの一つです。例えば、深煎りで苦味のしっかりした豆なら、お湯の量を少し多めの180ml程度にしてすっきりと。浅煎りで繊細な酸味を持つ豆なら、少し低めの湯温でじっくりと淹れる、といった工夫もできます。迷ったときは、店舗のスタッフにおすすめのレシピを尋ねてみるのも良いでしょう。

まとめ:まずはコーヒー豆10gのお湯150ccから

ここまで、コーヒー豆10gに対するお湯の量や、さまざまな応用レシピについて解説してきました。最後に、この記事の重要なポイントをまとめます。

  • コーヒー豆10gに対する基本のお湯は150cc
  • この「1:15」の比率が味わいの基準点となる
  • おいしさを安定させる鍵は豆と湯を正確に測ること
  • 最も正確な計量にはデジタルスケールがおすすめ
  • スケールがない場合は大さじ(約2杯弱)でも代用可能
  • 大さじ1杯のコーヒー粉は約5g~7gが目安
  • コーヒー豆10gは焙煎豆で約50粒~70粒に相当
  • 注いだお湯の全量がコーヒーとして抽出されるわけではない
  • 粉に吸収される分を考慮して湯量を調整する
  • たっぷり飲みたい時は豆10gに湯200ccのレシピも試す価値あり
  • 豆を20gに増やす場合、お湯の基本量は300cc
  • 200mlのコーヒーを淹れたいなら豆は約13g~14gが目安
  • カルディも基本的には10gに150ml~160mlを推奨
  • レシピは絶対ではなく、自分好みの味を探求する出発点
  • まずは基本のレシピを試し、そこから自分だけの味を見つけよう

コーヒー豆200gは何杯?プロが教える杯数とコスパの答え

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